税金が払えないことを理由に、自己破産は可能でしょうか。
自己破産手続中の税金の支払いや減免について、自己破産に強い弁護士が解説します。
(1) 税金が払えないことを理由に自己破産は可能?
税金を支払うことができずに滞納してしまい、支払うことが難しいという方もおられると思います。このような場合、税金を払えないことを理由に自己破産は可能でしょうか。
実は、自己破産をして借金をゼロにした場合でも、税金に関しては、支払義務が残り続けます。
税金は、自己破産の中で「非免責債権」とされており、自己破産をしても、ゼロにすることはできないのです。
そのため、税金が払えないことを理由に自己破産をすることはできません。
(2) 自己破産で税金以外に支払義務が消えないものは?
自己破産において、税金以外に支払義務が消えない「非免責債権」は、他になにがあるでしょうか。税金以外の非免責債権は次のようなものがあります。
・ 子どもの養育費
・ 悪意をもってした不法行為による損害賠償金(他人を殴った場合など)
・ 故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為による損害賠償金(飲酒運転による交通事故で被害者をケガさせた場合など)
・ 罰金
(3) 税金の支払いが免除される場合はある?
税金の支払いが免除される場合もあります。それは、次のような場合です。
① 時効により消滅した場合
借金と同様に、税金にも時効があり、5年経過して援用の手続をすることにより、返済義務はなくなります。
もっとも、税金を滞納した場合、支払いを促す督促状が送られ、最終的には財産を差し押さえられることになります。そのため、時効による税金の支払義務の消滅は現実的ではありません。
② 生活保護を3年受けた場合
税金を滞納すると、財産を差し押さえられることになりますが、生活保護を受給した場合には、差押えは行われません。
また、生活保護を受けて差押えが行われないままの状態が3年間継続すると、滞納している税金の納付義務が消滅することになります。
(4) 自己破産手続中に税金が払えない場合はどうなるのか?
自己破産手続中であっても、税金の支払いは偏頗弁済に当たらず、税金の支払いは続けなければなりません。では、自己破産手続中に税金を滞納するとどうなるのでしょうか。この場合、次のようなことが起こります。
① 延滞税の加算
税金を滞納すると、その滞納した日数分の延滞税がかかります。延滞税は、税金の納付期限の翌日から発生します。
税金を滞納し続けてしまうと、支払わなければならない金額が日増しに増えてしまいますので、できるだけ早く支払う必要があります。
② 督促状の送付
税金を滞納すると、役所や税務署から督促状が送付されます。督促状は、税金の納付期限を過ぎても税金が支払われないことから、その支払いを催促するための書類です。納付期限から1か月以内に送付されます。
督促状が送付されても税金が支払われない場合には、③滞納処分が行われることになります。
③ 滞納処分(財産の差押え)
滞納処分とは、税金の支払いが滞納している人の意思とは無関係に、滞納している人の財産を差し押さえて、強制的に滞納した税金に充てる手続です。
差し押さえられる財産としては、預貯金や生命保険、給与や不動産などになります。
(5) 自己破産手続中に税金の支払いができない場合はどうする?
自己破産手続中に税金が支払えない場合には、次のような方法が考えられます。
① 役所に分割払いや期限の猶予に関する相談する
まずは、役所や税務署などに分割納付や期限の猶予の相談をしてみましょう。事情を説明することで、分割払いや期限の猶予に関する対応をしてもらえる可能性があります。
② 弁護士に相談する
自己破産を進めている場合、弁護士に依頼されていることがほとんどですから、弁護士に状況を説明し、アドバイスを求めてみましょう。
③ 生活保護を受給する
税金の支払いが難しい理由として、自身の生活が苦しいという事情もあるかもしれません。生活状況が苦しい場合には、生活保護を受給することも考えてみましょう。
